文字のアウトライン,パスのアウトライン

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■文字のアウトライン,パスのアウトラインあ

シルクスクリーンは特色印刷で、印刷する色ごとに別々の版を作りますから、多色刷りを綺麗にプリントするためには、版下の時点で工夫しておく必要があります。

その一つに「合わせ（アワセ）」というものがあります。
シルク印刷では、薄い色の上に濃い色、不透明な色を刷り重ねていきますので、その刷り順を考慮しながら、薄い方の印刷面積を微妙に大きくしておきます。そうすることによって、色の境界部分に隙間が出ないようにします。

例えば、濃い赤色の袋文字の内部を、水色に塗る場合、内部の水色の方にアワセを付けておきます。
図1、図2は、分かりやすいように透明に表示したものです。

図1　アワセなし（ケヌキ）

図2　内部の色が輪郭の線の幅の半分まで大きくなったいる。

図1でも問題なさそうですが、実際に印刷してみると、どんなに注意して刷っても、赤と青の間に隙間が出てしまう恐れがあります。ヘタをすると、図3のようになってしまいます。

輪郭線が墨で描かれている場合は、黒い墨線の半分の太さにしても分りませんが、黒でない場合は、ギリギリ0.3mm～0.5mm程度のアワセを付けます。一般的には、黄色やピンクなどの薄い色の方にアワセを付けますが、金、銀などは色の濃さとは無関係に不透明ですので、そういう場合は黒の方にアワセを付け、金や銀はその上に乗せることになります。（ノセ）

図3　図1の印刷結果

図4　図2の印刷結果

このような版下制作、分版作業は、インクの濃さや色による不透明度の特性などもありますので、製版業者の方で行いますが、複雑な図柄の場合、デザインデータの段階でなるべくすっきり分かりやすい状態にしておくと、作業が間違いなくスムーズに進みやすく、期待通りの仕上がりを得易くなります。

「すっきり分かりやすいデータ」にするためには、できるだけアウトラインにしておくのが一つの方法です。ここでは、文字やパスのアウトラインの作成について説明します。

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イラストと印刷のプリン島
更新日07.4.12

１	文字やイラストを作ってデザインが決まってからアウトラインを作成します。アウトライン化してしまうと、フォントを変更したり、文字を打ち直したりできなくなってしまいますから、アウトラインを作成する前の段階のファイルを別名で残しておきましょう。
２	まずは文字のアウトラインを作成します。文字は、パソコンによってインストールされているフォント（書体）が様々ですから、必ずアウトラインを作成します。アウトライン化しないまま、別のパソコンで開いた場合、アプリケーションは通常、初期設定されているフォントや、近いタイプのフォントでファイルを開いてしまいますから、全く違う書体で表示されてしまいます。アドビイラストレーター（以下、Illustrator）では、文字のメニューからアウトラインを作成することができます。まずは、アウトライン化したい部分を選択しておいてから、下図のように文字メニューから「アウトラインを作成」を選択します。選択＞文字＞アウトラインを作成

		左上図はIllustratorCS、上図は旧バージョンの様子です。左図では、文字の下部に青い線が表示されていますが、この状態の文字は、アウトライン化されていない（文字情報が残っている）ことを示しています。
３	「アウトラインを作成」を選択して手を離すと、選択されている文字の輪郭がパスに変換されます。右下のように表示されれば成功です。
４	Ｔシャツなどのデザインでは、文字の修飾が決め手になりますので、文字の線と塗りで色分けしたり、輪郭を太くしたりします。そういう場合、文字のアウトラインを作成しただけでは、右下の図のような状態になります。輪郭と内部を色分けする場合は、さらに、この輪郭のパスをアウトライン化しておいた方が分かりやすくなります。
５	そこで、今度はパスのアウトラインを作成します。これは文字に限らず、複雑な図形を作ったり、パスファインダーを駆使した時などにも使える、覚えておくと重宝なワザです。まずは、アウトライン化したいパス（オブジェクト）を選択しておきます。パスのアウトラインは、Illustratorでは「オブジェクト」というメニューから選択できます。「パス」というのを選ぶと、さらにいくつか、パスを加工するメニューが表示されますので、その中から、「パスのアウトライン」というのを選択します。選択＞オブジェクト＞パス＞パスのアウトライン
６	右下の図のようになれば、パスのアウトラインが完了です。黄色いオブジェクトのパスは、上図のもとのパスが線無し塗りのみのオブジェクトとして残っています。