|
|
|
|
今回はハラハラドキドキ、ほろっと来たりして面白かった。 ヨナとスカールの脱出行に、ブランが加わり、魔道師の面々もくんずほぐれず、大活劇というか、そう、まるで初期ノスフェラアス編を彷佛とさせる、まさにヒロイックファンタジーの面目躍如といったところ。 まあ、あまりネタバレしてしまうと、これから読む人に申し訳ないので、細かい筋は書けないけれど、かつてイライラさせられたフロリーもいいし、スーティはさすがにタイトルになるだけあって健気だし、ブランもよくやった！だし。消されてしまった人々は可哀相だけど、思いきって盛り上げてくれたし。満足満足。 12月に130巻が出るらしい。思ったより沢山書き溜めておいてくれたのねえ。もう、それが最後じゃないかとは思うけど、これだけの広く深い世界観設定ができているわけだし、ぜひ、誰か物語の続きを作って欲しいナ。
|
||
|
|
|
|
久しぶりに出た「守り人」シリーズの文庫版。今回の舞台は隣国「ロタ王国」。人も建物もまるで柔らかい粘土のように抉り、殺戮する怖い神様を宿した少女アスラ、国の平和を守るため、その少女を捕まえて殺そうとするカシャル（猟犬）、なんとか助けられないだろうか？と考えるバルサ、バルサや少女を助けようとするタンダとアスラの兄チキサ。そして、アスラを利用しようとする一派が入り乱れて、悩み、闘い、走る。 カシャルは鳥や動物に魂を乗せることができるという伝説的な一族で、鳥や動物に魂を乗せたときの描写は刮目的。バルサの戦闘もかっこいい。やっていることは、アニメ的なんだけれど、それぞれの心理描写が丁寧で人間ドラマになっていて、単に面白いだけでなくて、深い味わいがある。 旅人守り人シリーズの世界は、現実の世界と重なるように存在するナユグとかノユーグといった霊的な世界があるのだけれど、人の心自体に、愛と憎しみ、あるいは欲望と理性といった相反する二重の気持ちが存在するわけで、そこにリアルな葛藤とか、生々しい人間臭さとかが現れて、キャラクターに対する共感や愛しさが生まれてくるんですね。 面白かった。
|
||
|
|