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妖犬"八房"の巻 ～南総里見八犬伝～（上） （下）
帰って来た名犬"ラッシー"の巻 |
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妖犬、魔犬、忠犬といろいろな犬がいましたが、名犬と言えば「ラッシー」、いえ私の場合は、コリーを見ればラッシーでした。ちょうど子どもの時、実写版のテレビシリーズが放映されていたのです。 「名犬ラッシー」は、１９４０年に出版され、映画、テレビドラマ、アニメとなり何度も放送されて最も有名なコリーとなりました。テレビのシリーズでは、原作にあるエピソードでは足りませんので、追加された部分も多いわけですが、原作は、エリック・ナイトが書いた短編「名犬ラッシー 家路 Lassie Come-Home」です。 ラッシー（Lassie）は、英語ではお嬢さんという意味ですから、当然、ラッシーはメスのコリーで、しかもとびきりの美人。さらに時計代わりになるほど、毎日４時きっかりに飼い主の少年ジョーをお迎えに学校の校門で待っている賢い犬でした。 イギリス中央部のヨークシャー地方は、ヨークシャーテリアといった名前で分るように、昔から優秀な犬を繁殖させ育てることで有名でした。ですから、物語の舞台、ヨークシャー州グリノール・ブリッジは、炭坑の村であると同時に、ブリーダーの村でもあったのです。ラッシーは、そういう村の中でも、とりわけ美しい毛並みと評判の犬でした。 ラッシーの飼い主キャラクローさん一家は、暖かい愛犬家の家庭で、お金のために犬を手放す家が多い中でも、なかなかラッシーを売ろうとはしません。それもまた村の人々の誇りとなっていました。 しかし、炭坑が閉鎖され生活に困ったキャラクローさんは、ついに、ラッシーを、領主のラドリング公爵へ売ってしまうことになります。 ラドリング公爵家の犬の飼育係りの男が、あまり愛情を持ってラッシーの世話をしなかった、ということもありますが、ラッシーは４時５分前になると、ジョーのお迎えに行きたくてそわそわしてしまい、何度も犬舎を脱走しては、学校に行ってしまいます。キャラクロー親子は、「犬が戻ってくるように訓練して、お客をだまそうとしたのだろう」という疑いまでかけられて困っていたのですが‥‥ やがて、ラドリング公爵は、犬のコンテスト参加の準備をするため、ラッシーを、スコットランドへ連れていきます。そこでもラッシーは４時５分前にはそわそわ。公爵の孫娘プリシラの密かな協力もあって、なんとか公爵家を脱走したラッシーは、一路南へ向かって旅を始めます。 旅の途上、人に追われ、獲物を捕まえて食べることを覚え、滝に落ち、ライフルに撃たれ、汚れ傷付きながらも、元気になりさえすれば、４時５分前にはジョーのことを思い出して歩き出します。途中、狂犬病の発見された町では野犬狩りに捕まりジャッキー・チェンもびっくりといったアクションで脱出し、優しい老夫婦に助けられたり、行商人と旅をしたり、それでも南へ向かうことは止めませんでした。 ついに、直線距離にして６５０Km、実際にはおそらく１６００Kmはあろうかという遠い道のりを走破して、懐かしいジョーの学校の校門へぼろぼろになって辿りつきます。 もはや、ラドリング公爵も返せとは言いませんでした。ラッシーがいかに大変な旅をしてきたか、簡単に想像できたのでしょう。かつての犬係の代わりに、キャラクローさんを犬の飼育係として雇いいれ、一家は元の幸せを取り戻します。ラッシーも間もなく元の美しい姿に戻り、子犬も生まれます。 ラッシーは、ジョーに「幸せ」というお土産を持って帰って来たのです！ |
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名犬ラッシー |
名犬ラッシー / 家路 |
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